「伊藤さん、膝を外し過ぎだからですよ。」
タンの瀬10mで苦戦する伊藤さん対してアドバイスしたこの言葉が端緒であった。
先日その時のことをふいに思い出して、スラロームで自分の動きを確認したところ、自分も「大事なところで膝を緩めている」という衝撃の事実に気づいてしまった。
「大事なところ」というのは、スイープやブーフ時など、ここぞという一発の大事なストーローク時。また、フリースタイルプレイではブラントを打つ瞬間、ループやフォニックスを刺す瞬間、エアー着地の瞬間など、(アソビなくボートを動かすために)本来最も膝に力を込めるべき瞬間に、逆に力を抜いてしまっているのである。
(これはパンチを打つ瞬間に、拳から力を抜いているのと同じようなことである。)
具体的にいうと、本人的には気付かずに、膝ではなく足先寄りに力を込めてしまっていたのだ…
※多分 膝:足先=4:6くらいのバランスで。
カヌーは、体幹の最も大きな筋肉である腹筋と膝の引きつけによりボートを動かすスポーツなので、体幹から最も離れていて小さな筋肉しかついていない足先では当然ボートを動かしにくい。
動かせないものを無理やり動かそうとすると、あとは上体の筋肉(背中)を使うしかない。
結果的に効果的にボートが動かせていない、ということになる。
(そして結果的に姿勢も悪くなるという悪循環。)
気付かずにやっていたことなので、修正するためには、もう毎回意識するしかない。ということで、かつてないほど膝を意識してブーフやスラのストロークの練習を行ったら、「これ全然別物、っていうくらいボートが付いてきますやん」という効果が確認できた。